師匠の散歩

VBAと測地学

日本測地系と世界測地系の変換式

現在日本で使用されている地図の多く(国土地理院地図・GoogleMaps・YahooMapなど)は、経緯度情報を世界測地系によるものとなっています。 しかし、現在も数種の地図やナビゲーションシステムでは日本測地系が用いられています。

測地系の種類や変遷はWeb上のよそのサイトをごらんになっていただくとして、本サイトでは測地系変換式についてWebから得た情報をまとめ、考察した内容について記述したいと思います。

測地系変換

師匠が作成した計算式で地図で測地系変換結果を表示します。現在の計算式:Molodenskyの式

札幌 / 秋田 / 東京 / 名古屋 / 大阪 / 岡山 / 熊本 / 沖縄
各種測地系変換の計算、

目次

2015年夏までにネット検索で得られた変換式についてまとめました。

評価データ
測地系変換式
TKY2JGD
1次式
Molodenskyの式
直交座標を利用する式
TKY2JGD

評価データ

一等三角点

日本全国のありとあらゆる地点について計算するのはリソースの問題があり望ましくありません。できるだけ等間隔で日本全国を網羅するような点集合が無いか検討しました。 ここで思いついたのが一等三角点です。

地図を見ていただけるとわかってもらえると思いますが、一等三角点は日本全体にほぼ等間隔になるように設置されており、 沖ノ鳥島や南鳥島などの離島にも設置されていいます。石垣島周辺に一等三角点が無いのは残念ですが、個数958点があれば十分な考察ができ、計算処理にかかる時間も妥当ではないかと思いました。

各種変換式

Web版 TKY2JGD

国土地理院のページにWeb版 TKY2JGD が掲載されています。

飛田さんの論文からWeb版 TKY2JGDの内容を以下にまとめました。特に、測地系原点の平行移動量は重要です。

変換方法
地域毎の座標変換パラメータを使用する変換のみ
離島などで変換パラメータの無いデータは -9999 を戻す
測地系と楕円体
日本測地系:ベッセル楕円体
世界測地系:日本GRS80楕円体
日本測地系から世界測地系への移動量
   dx = -146.414m dy = 507.337m dz=680.507m
計算精度(原典では経度・緯度表示されていたので総距離を推定)
対象:一等・二等・三等三角点(37,435点)
距離誤差:最大0.931m
標準偏差:約0.018m
一括入出力データ
緯度 経度 を並べる
135度12分34.5678秒 ⇔ 1351234.5678
入力:拡張子.in (t1p.in) // 出力:拡張子.out (t1p.out

ダウンロード版 TKY2JGD

計算のページとは少し違ったところに、ダウンロード版TKY2JGDダウンロードページがあります。

プログラム
tky2jgd.exe をダウンロード
ダウンロードしたexeファウルをダブルクリックしてインストール
ソースファイルを閲覧するまで
  1. メールアドレスの入力
  2. メール送信した状態でユーザー名・パスワード入力画面になる
  3. マルチタブブラウザでは上記入力が済むまで他のタブでの作業ができないので注意
  4. 別ブラウザ(スマホなどでもOK)でメールを受け取る
  5. 国土地理院から2分以内に届くメールの内容を読む
  6. ユーザー名・パスワードを入力
  7. 自己解凍式圧縮ファイルをダウンロード
  8. 解凍したTky2jgd_sourceフォルダにソースファイル:modTky2jgd.basがある
  9. TerraPadのようなマルチエディタでソースファイルを開く
変換方法
地域毎の座標変換パラメータを使用 3パラメータ法を使用 両者の混合 のどれかを選択
変換できない地点は -9999 を戻す
測地系と楕円体
日本測地系:ベッセル楕円体
世界測地系:日本GRS80楕円体
一括入出力データ
緯度 経度 を並べる
135度12分34.5678秒 ⇔ 1351234.5678
入力:t1p.in // 出力:地域ごとの座標変換パラメータ  // 3パラメータ

平行移動法

数年前に国土地理院で公開されていた内容です。地域ごとに測地系変換する平行移動距離を決めておく方法で、地域決定と多くの初期値が必要なためプログラム計算には不向きと考えられます。

出典元が消去していますので、現在は出展元不明の参考情報として記載しておきます。

平行移動変換式

1次式による変換

日本測地系から世界測地系へ1次変換式は、現在ネット検索できる範囲ではGoogle-Maps-API-Japan の APIにおける世界測地系が最も古い情報と思われます。 「Tato」さんが「全国ロケ地ガイドのjoe」さんから得た情報として紹介されています。

1次式 日本測地系から世界測地系

世界測地系から日本測地系の式は、じゃらんWebサービス/チュートリアル に記載があり、上記1次式から逆関数を求めたとしています。

1次式 世界測地系から日本測地系

Molodenskyの式

Standard Molodensky Transformationの原典は下記のようです、入手には論文取り寄せ(有償)になるようです。

Molodensky, M.S., Eremeev, V.F. and Yurkina, M.I., 1962.
Methods for Study of the External Gravitational Field and Figure of the Earth, Israeli Programme for the Translation of Scientific Publications, Jerusalem.

R.E. Deakinsi氏の論文にMolodensky Standard Formulaの式の求め方が掲載されていています(11ページ式23)。

Molodenskyの式

短縮Molodenskyの式

Abridged Molodensky Formation または Reduced Molodensky Formationと呼ばれるもので、ここではデジタル写真測量さんのページをリンクします。

Reduced Molodensky Formation

直交座標変換を利用する式

直交座標変換を行う手法は、大きく次の3つのパートに分けられ、3つ目のパートに数種類の方法がわかれています。

  1. 測地系1の経緯度をXY座標に変換する
  2. 測地系1のXY座標を測地系2のXY座標へ平行移動する
  3. 測地系2でXY座標から経緯度に変換する

上記1と2は共通なのでここでそのアルゴリズムを記載します。

経緯度をXY座標に変換する
XY座標を測地系で平行移動する
数値の出展元は我が国の測地基準系の改訂についてを紹介しておきます。

Bowringの式による直交座標・経緯度変換

直交座標から経緯度への変換式の基本式としてよく引用されているのが Bowringの論文です。

Bowring B.R., 1976. Transformation from spatial to geographical coordinates. Surv. Rev.,23, 323-327.

上記論本も有償での文献取り寄せでないと閲覧はできませんが、上記論文を引用する文献で内容を知ることができます。

Dana教授のページ
Geodetic Datum Overview
Bowringの式

国土地理院による直交座標・経緯度変換

国土地理院の計算のページの緯度・経度と地心直交座標の相互換算 の式をVBAで記述しました。

国土地理院の式

TKY2JGDのVBソースの式

項目だけ作成しておきます。

現時点で師匠は、ダウンロード版TKY2JGDのVBソースによる式を使って、実行形式ダウンロード版TKY2JGDと同じ結果を再現できていません。 国土地理院に問い合わせをしましたが、意味ある答えは返ってきませんでした。もともとプログラムソースの正確さ・再現について国土地理院が保障しているわけではありません。 もし師匠の勘違いがあっても、国土地理院がそれを指摘する義務もないため、再問合わせは実施しませんでした。

このようなことがあったため、本ページでは「TKY2JGDのVBソースの式」についての内容紹介と結果考察は行わないことにしました。

まとめ

数式だけではよくわからないと思うので、次のページで比較考察とプログラムソースを紹介したいと思う。


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Copyright(C) Grandmaster Since 2010 最終更新:2015/10/12